お客様の声~おかたずけは愛の体験でした①~
私が、満子さんにおかたづけをお願いしたのは、それまでの人生を心機一転し、引っ越して2か月ほど経ったときでした。
いったん実家に戻っていたので、不要なものは捨てていましたが、狭い部屋に衣装ケースが積みあがっていて、この荷物だけはどうにもできない と私は思っていました。
1ルームで12畳ほどのスペースにベッドとテーブル、本棚、タンスと、びっしり物がありあました。
8月の暑い日。満子さんは、朝一番笑顔でやってきました。
まず、満子さんが取り掛かったのは、本棚。
本棚の前にベッドがあり、満子さんは本棚がここにあったら、眠れないと思う と言いました。
私は はっと気が付きました。引っ越してきて部屋に慣れていないから眠れないと思っていたけど、もしかして、この配置が影響してたのか・・・
私の本棚はスライド式の大きなもので、本がびっしりと詰まっています。
置く場所はこの壁しかないよね と思って最初にそこに配置を決めました。
満子さんの言うとおりと思いましたが、ではいったいどこに?
そして、この大きなものをどうやって動かすの?
面倒だ!という思いが湧いてきましたが、満子さんはなんの迷いもなく「動かしましょう」と言いました。
もう、やるしかないという空気があり、私の感情とは裏腹に体は動いて行きました。
本棚、机とパソコン、食器棚、すべての家具の配置が変わっていきました。
一つ動かしてホッとしていると、満子さんは「こっちの方がいいわ」と言ってまた配置を変えます。
物がふさわしい場所にあることに、妥協をしない。
部屋の明かり、食器棚に入っている食器の見え方、便利を求めるための配置ではなく モノ達が生きる配置。
そのことが理解できたのは、すべてが終わったときでした。
・・・続く・・・